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IPOにおける主幹事証券とは?役割や接触を始める時期などを解説

この記事でわかること

  • IPOにおける証券会社の役割
  • IPOにおける証券会社に接触を始める時期
  • IPOにおける最近の証券会社のトレンド

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O f All株式会社の編集局です。役員報酬・株式報酬制度・ストック・オプション・資本政策・IPOに関するノウハウを発信しています。

IPO(新規株式公開)を進めるうえで、必ず関わるのが主幹事証券会社です。
主幹事証券は、上場準備の助言から引受審査、株式の引受・販売まで、IPOプロセス全体の中心的な役割を担います。JPX(日本取引所グループ)でも、主幹事証券会社は上場準備段階で資本政策や社内体制整備の助言を行い、さらに上場適格性調査や引受審査に関与する主体として整理されています。

 

 

本記事では、主幹事証券の役割、証券会社に接触を始める時期、最近のトレンド、そして最後にO f Allとの違いについて整理します。

証券会社の役割

IPOにおける証券会社の役割は、大きく分けると次の4つです。

1. 上場準備に関する助言

主幹事証券会社は、上場準備会社に対して、資本政策、管理体制、社内整備、申請準備などについて助言を行います。JPXでも、主幹事証券会社の公開引受部などの部門が、上場申請準備に関する助言を担うと整理されています。

2. 引受審査

証券会社は単に支援するだけではなく、最終的には引受審査を行う立場でもあります。日本証券業協会の規則では、引受審査部門を設置し、その担当者は引受推進業務や引受業務に携わらないことが求められています。つまり、証券会社の中でも支援する機能と審査する機能は分かれているということです。

3. 上場申請・審査対応のサポート

主幹事証券会社は、東京証券取引所への上場申請や、上場審査における各種対応の中心にもなります。上場審査の中では、会社の事業内容、管理体制、内部統制、ガバナンスなどが確認され、主幹事証券会社はそのプロセスを主導します。

4. 株式の引受・販売

IPOでは、公開する株式を投資家に販売する必要があります。主幹事証券会社は株式を引き受け、機関投資家・個人投資家への販売、公開価格決定に向けた需要把握などを行います。

証券会社の中でも担当は分かれている

IPO準備会社から見ると「証券会社」と一括りに見えますが、実際には社内で役割が分かれています。
名称は会社ごとに異なりますが、一般に次のように理解すると分かりやすいです。

営業担当部門

会社側の窓口となる部門です。経営者やCFOと接点を持ち、IPO方針の確認、社内外の調整、証券会社内の関係部署との橋渡しを行います。

公開引受部門

IPO準備の実務支援を担う中心部門です。資本政策、体制整備、申請書類準備など、上場準備を具体的に前に進める役割を担います。JPXでも、公開引受部などの部門が上場準備会社に対して助言を行うと整理されています。

審査部門

営業担当部門や公開引受部門とは別に、客観的な立場で引受審査を行う部門です。日本証券業協会の規則では、引受審査部門は引受推進業務・引受業務から独立していることが求められています。

この構造を理解すると、IPO準備会社としては
「営業担当者の感触」と「審査部門の判断」は必ずしも同じではない
という点も理解しやすくなります。

証券会社に接触を始める時期

従来は、上場を具体的に検討し始めた比較的早い段階から証券会社と接触することが一般的でした。
もっとも、最近はIPO件数の減少や案件選別の厳格化に加え、実務上は証券会社側のIPO担当人員も絞り込まれている傾向があり、以前よりも接触開始や主幹事選定のタイミングが後ろ倒しになりやすい面があります。

ただし、IPO準備実務上は、少なくともN-1期が始まる前には主幹事証券会社との契約を締結しておくことが必要です。
N-1期に入ると、上場申請に向けた準備は一段と具体化し、

  • 申請スケジュールの確定
  • 審査対応の進め方の整理
  • 申請書類の作成・確認
  • 上場に向けた社内体制整備

など、主幹事証券会社と一体で進めるべき論点が増えていきます。

そのため、証券会社との接触自体は多少遅れる傾向があるとしても、N-1期開始前までには主幹事証券会社を決定し、準備を本格化できる状態にしておくことが重要です。

最近の証券会社のトレンド

近年のIPO環境を考えるうえで無視できないのが、グロース市場をめぐる見直しです。
JPXは2025年に、グロース市場の上場維持基準を「上場5年経過後、時価総額100億円以上」へ見直す方針を示しました。現行の「上場10年経過後、時価総額40億円以上」からの引上げです。

また、JPXの2026年方針資料では、2025年の国内新規上場社数は66社で、上半期の株式市場の先行き不透明感が直接の減少要因だったと整理されています。

こうした環境の中で、証券会社のIPO案件に対する姿勢も慎重化しています。
特に、上場できるかどうかだけではなく、上場後に一定の時価総額水準を維持できるか、成長ストーリーに説得力があるかまで、より厳しく見られる傾向があります。

加えて、これは公開資料ではなく、実際に証券会社へヒアリングして得た実務情報ですが、IPO件数の減少や案件選別の厳格化を背景に、証券会社内のIPO担当人員は以前より絞り込まれているという声があります。

その結果として、以前にも増して、

  • 会社側で準備論点を整理しておくこと
  • 証券会社に持ち込む前の段階で、一定の体制整備や説明整理を進めておくこと
  • 証券会社や監査法人の指摘を受け身で待つのではなく、自社で判断材料を持っておくこと

の重要性が高まっています。

証券会社の立ち位置(O f All株式会社との違い)

証券会社は、IPOを実行する立場です。
上場準備を支援する一方で、最終的には引受審査を行い、上場適格性を確認する役割も担います。つまり、会社の支援者でありながら、同時に審査する立場でもあるということです。日本証券業協会の規則が、引受審査部門の独立性を求めているのもそのためです。

これに対して、O f All株式会社は常に会社の側に立って準備を整理する立場です。

証券会社や監査法人の意向を踏まえつつ、

  • 何をどこまで対応すべきか
  • 今対応すべきか、後工程でよいか
  • どのように現実的な形で実行するか

を会社目線で具体化します。

つまり、

  • 証券会社
    → IPOを実行する立場、審査・引受の観点を持つ
  • O f All株式会社
    → 会社の側で、準備の論点整理と実行支援を行う立場

という違いがあります。

最近は、グロース市場の時価総額100億円基準の議論やIPO社数の減少もあり、証券会社側も案件をより慎重に見極める環境になっています。
さらに、実務上は証券会社内のIPO担当人員も絞り込まれているという状況があるため、証券会社に全面的に依存するだけではIPO準備を十分に進めにくくなっているのが現状です。

こうした環境だからこそ、
会社の側に立って、IPO審査で何が求められるのかを整理し、証券会社や監査法人の指摘を具体的で実行可能な対応に落とし込む役割が重要になります。

O f All株式会社は、まさにその役割を担います。
証券会社や監査法人の意向を踏まえつつ、常に会社の側に立って、「何をどこまで、いつ対応すべきか」を整理し、無駄な準備や過剰対応を避けながら、IPO準備を現実的に前へ進めます。

IPOについてのお悩みがあればご相談ください

ここまで、IPOにおける主幹事証券について解説してきました。
本記事の内容がIPO準備を検討・実施している皆さまの参考になれば幸いです。

また、O f All株式会社では、IPOを目指す、目指そうとしてる企業様に向けて無料相談を実施しております。

「IPOに関する悩みを専門家へ相談したい」等のご要望がございましたら、お気軽にご相談ください。

また、下記にて弊社の会社案内資料も配布しております、ご参考までにご確認いただけましたら幸いです。お急ぎの方はオンラインでの無料相談も承っておりますので、ぜひご活用ください。




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