IPOを目指す会社の事業計画書の作り方 各種説明資料の構成と「審査で突っ込まれるポイント」

この記事でわかること
- IPOを目指す会社の事業計画書の作り方
- 各種説明資料から見る事業計画書の基本構成
- 成長可能性資料から見る事業計画書の基本構成
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O f All株式会社
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前回の記事では、IPO準備企業が作成する各種説明資料を参考に、事業計画書の基本的な構成について解説しました。しかし実務では、単に事業計画書を作るだけでは十分ではありません。
🔗事業計画書は「未来の数字」ではない IPOを目指す会社が最初に整えるべき“成長の設計図”
IPO審査では、その事業計画が「合理的か」「実現可能か」「管理できるか」という観点から厳しく確認されます。
そこで今回は、「IPO準備企業が作成する各種説明資料の構成」「IPO審査で実際によく指摘される事業計画のポイント」
この2つを合わせて解説します。
各種説明資料、成長可能性資料から見る事業計画書の基本構成
IPO実務で整理される事業説明の要素は、大きく次の7つです。
- 1.会社概要・沿革
- 2.事業内容・ビジネスモデル
- 3.市場環境
- 4.競争優位性
- 5.成長戦略
- 6.リスク
- 7.財務計画
以下では、それぞれの内容と審査でよく指摘されるポイントを解説します。
1.会社概要・沿革
-よくある指摘:事業の成長ストーリーが見えない
まず説明されるのが会社の基本情報です。
主な項目は次の通りです。
- 設立の経緯
- 事業の沿革
- 主要サービス
- 組織体制
例えば次のような形で整理します。
| 年 | 内容 |
| 2018 | 会社設立 |
| 2019 | サービス開始 |
| 2021 | 大手顧客との契約 |
| 2023 | 売上20億円達成 |
IPO審査では、「なぜこの会社が成長してきたのか」というストーリーが確認されます。
単なる年表ではなく、
- 技術
- 市場
- 顧客
などの要因を説明することが重要です。
2.事業内容・ビジネスモデル
-よくある指摘:収益構造が説明できない
次に説明するのが、会社のビジネスモデルです。主な項目は次の通りです。
- 商品・サービス
- 顧客層
- 収益モデル
例えばSaaS企業であれば
顧客企業
↓
クラウドサービス
↓
月額利用料
という構造になります。
IPO審査では、「その売上はどのように生まれているのか」が必ず確認されます。
例えば「売上 = 顧客数 × 顧客単価」という形で説明できる必要があります。
3.市場環境
-よくある指摘:市場規模の説明が曖昧
事業計画では、市場の成長性も重要です。主な項目は
- 市場規模
- 市場成長率
- 業界構造
例えば
| 指標 | 内容 |
| 市場規模 | 1兆円 |
| ターゲット市場 | 1,000億 |
| 売上計画 | 100億 |
このように市場 → ターゲット市場 → 自社売上の関係を説明する必要があります。
IPO審査では、「その市場の中でどれくらい取れるのか」が確認されます。
4.競争優位性
-よくある指摘:競合との差別化が弱い
市場の中で自社の強みを説明します。主な項目は
- 技術力
- ブランド
- 顧客基盤
例えば
| 項目 | 自社 | 競合A | 競合B |
| 価格 | ○ | △ | △ |
| 機能 | ◎ | ○ | △ |
| 実績 | ○ | ◎ | △ |
IPO審査では、「なぜこの会社が勝てるのか」が確認されます。
5.成長戦略
-よくある指摘:戦略が抽象的
事業計画書の中心となる部分です。主な内容は
- 新規サービス
- 新規市場
- 海外展開
- M&A
しかし実務では
- 新規顧客を開拓
- 海外展開
など抽象的な記載が多く見られます。
IPO審査では次のような点が確認されます。
- 対象市場
- 投資額
- 人員計画
- 売上見込み
つまり具体的なアクションプランとして説明する必要があります。
6.リスク
-よくある指摘:リスクが書かれていない
IPOでは、成長戦略だけでなくリスクの説明も重要です。例えば
- 市場競争
- 技術変化
- 法規制
- 人材不足
重要なのは、リスク+対応策をセットで説明することです。
7.財務計画
-よくある指摘:数字の根拠がない
最後に示されるのが財務計画です。一般的には3〜5年の事業計画を作成します。
| 年 | 売上 | 営業利益 |
| 2024 | 30億 | 3億 |
| 2025 | 45億 | 6億 |
| 2026 | 70億 | 12億 |
IPO審査では、その数字の根拠が確認されます。例えば
- 顧客数
- 単価
- 営業人員
などとの整合性が必要です。
まとめ
IPO審査に耐える事業計画とは
IPO審査では、事業計画の数字そのものよりもその数字の根拠が重視されます。
審査でよく確認されるポイントを整理すると次の通りです。
- 1.売上成長の根拠
- 2.市場規模の説明
- 3.競争優位性
- 4.成長戦略の具体性
- 5.リスク管理
- 6.財務計画の合理性
つまりIPO審査で求められる事業計画とは「数字」ではなく「ストーリー」
なのです。そのストーリーが
- 市場
- ビジネスモデル
- 組織
- 投資
と整合しているかどうかが、IPO審査で重要なポイントになります。
IPOについてのお悩みがあればご相談ください
ここまで、事業計画書について解説してきました。
本記事の内容がIPO準備を検討・実施している皆さまの参考になれば幸いです。
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