J-SOXの内部監査と業務の内部監査 IPOに必要な二つの内部監査を解説

この記事でわかること
- まず整理しておきたい、内部監査の2つの領域
- 作成される「成果物」の違い
- J-SOX 内部統制内部監査で扱われるもの
- 実施時期の違い(IPO 実務の現実)
- 2つの内部監査が「必要とされる理由」
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O f All株式会社
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業務の内部監査と J-SOX 内部統制内部監査の違いを、実務の視点で整理します。
近年、上場会社や IPO 準備会社を取り巻く環境の中で「内部監査」という言葉の重みは確実に変わってきています。
不祥事が起きるたびに設置される第三者委員会の報告書では、繰り返し次のような指摘がなされます。
・内部監査が十分に機能していなかった
・内部監査が形式的に運用されていた
ここで問題にされているのは、内部監査という仕組みがなかったことではありません。多くの会社では、内部監査部門も規程も存在していました。
それでもなお、「内部監査が期待された役割を果たしていなかった」
という評価が下されている。
この背景には、「内部監査とは何をするものなのか」が、実務上あいまいなまま運用されているという問題があります。
まず整理しておきたい、内部監査の2つの領域
内部監査と一言で言っても、実務上は大きく次の2つに分かれます。
業務の内部監査
業務の内部監査は、
- 業務が有効かつ効率的に行われているか
- 法令・社内規程が遵守されているか
- 不正や不適切な業務運営が行われていないか
といった点を、会社全体を横断して確認するものです。
対象は営業、購買、人事、IT、子会社管理など広範で、財務報告に直接関係しない領域も含まれます。
金融商品取引法に基づく内部統制(J-SOX)の内部監査
もう一つが、金融商品取引法に基づく内部統制、いわゆる J-SOX です。
こちらは、
- 財務報告の信頼性を確保すること
を目的として、
- 全社的内部統制
- 業務プロセス統制
- IT 統制
の整備・運用状況を評価します。
多くの会社では、これら2つを同じ内部監査部門が担っていますが、役割も、求められる成果も異なります。
作成される「成果物」の違い
業務の内部監査で作成されるもの
業務の内部監査では、会社ごとのリスクに応じて監査が設計されます。
- 内部監査規程
- 年間内部監査計画
- ヒアリング・資料確認
- 内部監査報告書
- 指摘事項・是正
特徴は、問題点の指摘だけでなく、改善に踏み込む点にあります。
J-SOX 内部統制内部監査で扱われるもの
J-SOX では、作成物はある程度定型化されています。
- 全社的内部統制チェックリスト
- 決算・財務報告プロセスチェックリスト
- 業務プロセスの3点セット
(フローチャート/業務記述書/RCM) - 運用テスト結果
- 不備一覧・是正状況管理
ここで重視されるのは、統制が有効に機能しているかどうかを説明できる証跡です。
実施時期の違い(IPO 実務の現実)
IPO 準備の時間軸で見ると、両者の扱いは明確に異なります。
業務の内部監査
- IPO 審査において「実際に回っているか」が確認される
- N-2期での本格運用は必須ではない
- N-1期に一定期間、実運用されていることが重要
J-SOX 内部統制内部監査
- 制度上は上場後を前提
- しかし実務上は、N-2期中に内部統制の整備が完了していることが強く求められる
N-1期は、整備済みの内部統制を前提に「運用評価」を行う期間であり、ここが成立しないと、監査法人が N-1 期として認めないケースがあります。

2つの内部監査が「必要とされる理由」
最後に、実務上の結論を整理します。
業務の内部監査
・IPO 審査において必須
・上場会社としての自律的な業務管理体制を示すためのもの
J-SOX 内部統制の内部監査
・IPO 審査そのものの必須要件ではない
・監査法人が N-1 期の監査に進むために必要
内部監査を一括りにせず、「何のための内部監査なのか」を切り分けて設計・運用すること。それが、不祥事対応、IPO 審査、監査法人対応のいずれにおいても、内部監査を“機能させる”ための前提条件になっています。
IPOについてのお悩みがあればご相談ください
ここまで、内部監査を“外部の専門家”に委ねる会社が増えている理由について解説してきました。
本記事の内容がIPO準備を検討・実施している皆さまの参考になれば幸いです。
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