現在のIPO準備の要 プレショートレビューの重要性

この記事でわかること
- ショートレビューは「課題抽出」から「監査契約可否判断」へ
- 「監査法人難民」が常態化する中での現実
- 監査法人がショートレビューで見ている「本音のポイント」
- プレショートレビューは「保険」ではなく「戦略」
- ショートレビューの前に、やるべきことは明確
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O f All株式会社
編集局
IPO専門家
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ショートレビューは本来、IPOに向けた課題を洗い出し、改善の道筋を示すための調査として位置づけられてきました。
しかし近年、このショートレビューの意味合いは、実務上、大きく変化しています。
ショートレビューは「課題抽出」から「監査契約可否判断」へ
従来は、
- ショートレビューで指摘事項を把握し
- その後、時間をかけて改善を行い
- 監査契約へと進む
という流れが一般的でした。
ところが現在では、ショートレビューそのものが、監査法人にとっての「受嘱判断プロセス」として極めて重い意味を持つようになっています。
その背景には、
- 公認会計士の慢性的な不足
- 金融庁による監査品質管理要求の高度化
- 上場会社監査に対する社会的責任の増大
- 東京プロマーケットへの上場社数増加
といった構造的な問題があります。
その結果、大手監査法人のみならず、中堅監査法人においても新規監査契約の受嘱余力が乏しい状況が続いています。
「監査法人難民」が常態化する中での現実
現在のIPO市場では、「ショートレビューを受ければ、監査契約に進める」という前提は、もはや成り立ちません。
ショートレビューの結果次第では、
- 監査契約そのものを見送られる
- 明確な改善期限を示されないまま「今回は見送り」となる
- 実質的に数年間、監査法人が見つからない
といったケースも実際に発生しています。
加えて、ショートレビュー費用は最低でも250万円程度が相場となっており、結果次第ではこの費用がそのまま回収不能なコストになるリスクも否定できません。
監査法人がショートレビューで見ている「本音のポイント」
近年のショートレビューでは、単なる規程や資料の有無ではなく、
- この会社は本当に上場を目指しているのか
- 上場後も継続的に適正な開示・監査対応ができるのか
- 限られたリソースの中で、監査を引き受ける合理性があるか
といった経営姿勢・実現可能性が強く意識されています。
特に、
- 実現可能性の高い事業計画になっているか
- 管理体制が「未整備」ではなく「最低限整っている」か
- 労務リスク(未払残業代等)に致命的な問題がないか
といった点は、監査契約締結の可否を左右する重要な判断材料になっています。
だからこそ「プレショートレビュー」が事実上の必須プロセスにこのような環境下においては、
- ショートレビューを「課題を見つけてもらう場」として捉える
- 準備が不十分な状態でいきなり監査法人に臨む
という進め方は、リスクが極めて高いと言わざるを得ません。
そこで近年、IPO準備企業の間では、ショートレビューの前に、監査契約に進める最低限の水準に達しているかを確認するための「プレショートレビュー」を実施することが、実務上ほぼ常識となりつつあります。
プレショートレビューは「保険」ではなく「戦略」
プレショートレビューは、
- 形式的な模擬レビューではなく
- 実際のショートレビューで問題視されやすい論点を事前に洗い出し
- IPOスケジュールに照らして改善の優先順位を整理する
ためのプロセスです。
一度ショートレビューで否定的な評価を受けると、数年単位でIPO計画全体が停滞する可能性があることを考えれば、プレショートレビューは単なる「保険」ではありません。
IPOを実現させるための、戦略的な事前確認プロセスだと言えます。
ショートレビューの前に、やるべきことは明確
ショートレビューの位置づけが変わった現在、
- 監査法人に「選ばれる会社」かどうか
- 限られた監査リソースを割く価値があるか
が、これまで以上に問われています。
その中で、ショートレビューの前にプレショートレビューを実施するという判断は、IPO成功確率を大きく左右する重要な分岐点になっています。これからIPOを目指す企業にとって、「外部に出る前に、自社の現在地を正しく把握する」その重要性は、今後ますます高まっていくでしょう。
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本記事の内容がIPO準備を検討・実施している皆さまの参考になれば幸いです。
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